小学校3年生の頃の話な。

幼稚園の時からスイミングスクールに通ってたんよ。
その事件が起きるときまでには50mは泳げるようになってた。
いつものように10人くらいでクロール25mを何本か泳ぐ練習をしてた。
んで俺の番がきて飛び込んで泳いでると、急に右足を誰かが引っ張るんよ。

最初友達がふざけて引っ張ってるのかと思ったんだけど、
コーチが監視してるしそんな馬鹿いねーだろと思って水中を見ても誰もいないの。 
だんだん引っ張る力が強くなってくるんだ。
ふざけんなと思ってどんなにもがいても体がどんどん沈んでいくんだよ。
しかも溺れてるのに誰も助けにこない。
息も続かなくなって、もう俺死んじゃうんだとおもって諦めた瞬間、
パッと手をはなされたんだ。

急いで水面から上がって
誰の仕業なのか確認しようとしても後ろにも前にも横にも誰もいねーの。
コーチにそのことを話しても監視はしてたけど、溺れてる奴はいなかったの一点張り。かーちゃんに話して抗議してもらおうとそのことをチクったら、青ざめた顔して右足を見てんの。手の形をした真黒なアザが右足にくっきりと残ってた。
そのアザは1年くらいかけてじょじょにうすくなっていった。

それ以来何度も水にまつわることで死にかけてるんだけど、なんとかならないかな?


【引用元:不可解な体験、謎な話~enigma~ part79】