何処に書き込んでも誰に話しても信じてくれん話。

4歳から6歳くらいまで祖父母(日本人)とドイツのブランケネーゼって町に住んでたんだ。
町の人気の少ない路地を通って行った所に一軒の小じんまりした家があって、家よりも庭の方が広くていつも綺麗な花とか果物とかが咲いてて鶏と兎が数匹放しがいにされてる。
その家の住人のエルフ一家と仲良くしてたっていう、そういう話。

エルフって言っても耳が長くて尖ってるだけでそれ以外は普通の人達だった。
細っこいお婆ちゃんと当時の俺と同じくらいの年の男の子、
高校くらいの眼鏡かけたブスの姉ちゃん。
むしろお姉ちゃんより男の子の方が女みたいでめさくそ可愛かった。
全員容姿も似てないけど皆耳が尖ってるから家族なんだろうなと思ってた。

交流の切欠は俺が勝手に庭に入って生えてたブルーベリーを口も手も青くなるまでカッ食ってたのを目撃されたから。最初男の子に目撃されて「ぶっ殺すぞ」とか言われたけど、(そいつは殺すとか死ねが口癖だった)お婆ちゃんとお姉さんはいくらでもあるからって許してくれて、しかも家に上げてもらってたんまり喰わせてもらったよ。

それから「あの家に行ったらおやつが食べれる」と思ってほぼ毎日の様に遊びに行ってたな。目論見通りお婆ちゃんがいつもケーキを用意してくれて、さくらんぼのチョコケーキとかパイケーキとか作ってくれてどれも滅茶糞美味かったんだが特にチーズケーキは絶品だった。鮮明には覚えてないがチーズの中にホワイトチョコや生クリームみたいな味がしてて口の中で蕩ける感じ。 

他にも残り物らしいミートローフとかソーセージとかも図々しく食ってたなw
わざわざ自家製っぽいフルーツジュースとかも準備してくれてとにかく至れり尽くせりだった。男の子には「食い物目当てで来てるんだろ死ね」みたいな事言われたけど何だかんだで一緒に遊んだりしてた。

ただ、何故か3人共家の敷地外には全く出ようとしなかった。
一度男の子に出ようよって言ったら「こっから出たら死ぬ」って言われてそれ以上は聞かんかったが。

それから俺が小学校二年生くらいの頃に戻って来て、それから数年してネットでエルフを知って「俺が昔会った奴らはこいつらだ!」とピンと来たってわけなんだが、
問題はそこからで、その話を家族なんかにしても全く信じてくれんのよ。
と言うのも俺はドイツの祖父母の家に長期滞在させた事なんか無いって言われて。

俺を祖父母のドイツの家に連れて行ったのは3歳くらいの頃の2回だけらしい
でもじゃあ俺のハッキリしてる記憶は何?何で俺今もドイツ語そこそこ解るの??
じーちゃん達の家はブランケネーゼで間違いないよ?
小学校低学年の記憶あんまり無いよ?
あるのはあの頃の思い出だけだよ?

いつかまた行きたいんだけどなかなか機会なくて行けないんだよな…


【引用元:不可解な体験、謎な話~enigma~ part66】