大学時代に旅行で沖縄行って、
旅行終わって帰宅した夜、部屋に日本兵が出た。

目茶苦茶怖かったが、ただ立ち尽くしてるだけで暫くしたら消えた。
痩せてたし顔色悪かったし、戦争でお腹へって亡くなったのかな~と思い、
翌日はお茶とおにぎりを用意して待った。
その日も出たが、やっぱり立ってるだけで暫くしたら消えた。

数日お茶とおにぎりを用意して観察したが、同じ事が続いた。
私も「何が気に食わないんだろう」と思いながら
おにぎり増やしたり漬物付けたり味噌汁付けたりしてた。
そんな事が一週間くらい続き、
連日夜中まで起きていた私はそろそろ眠気に勝てなくなった。
そこで、もはや和食フルコースと化した食事を用意し、
(お茶、おにぎり、味噌汁、漬物、焼き鮭、煮物、お饅頭)
その日は早めに就寝。

夜中に気配で目が覚めて、コッソリ見たら、日本兵ガツガツ食ってた。
ちょっと泣いてた。
全て飲み食いした後に立ち上がり、私に向かってビシッと敬礼して消えた。
以後は来なかった。

朝、日本兵が食べたと思った食べ物は一応形は残ってたけど、
どれも一晩じゃ考えられないくらい水分が抜けてカラカラになっていた。
お茶と味噌汁は無くなってた。

祖父(徴兵経験は無い)に話したら
「男ってのは生きてても死んでてもそういうもんだ。変な意地がある。
 若い娘に飯がっついてる所見られたくなかったんだろ」
と言っていた。

最初毎晩観察してた私が生殺しにしてたのか…と思うと少し申し訳ない。


【引用元:不可解な体験、謎な話~enigma~ part65】