私が高校一年生の時の話です
私は都内なのですが当時付き合っていた彼氏は神奈川の辻堂でした。
良く、休みや週末は泊まりに遊びに行ったりしていましたが…
彼の家は一軒家で南側が畑、他三方はお墓…という立地で私は苦手でした。

寝る時は彼の部屋だったのですが、クーラーも無いし
部屋の窓を二つ全開にしてもかなり寝苦しい部屋でした…
夏休みも泊まりに行き、十二時頃には眠りにつきました。
彼は壁側、私は部屋の真ん中側で寝ていたのですが寝苦しくて目が覚めました。

電気も消していて真っ暗な部屋。
なぜか起きた途端に背中に寒気を感じ、人の気配を感じました…
天井にはもちろん何も無いですし、彼の部屋に誰も入る筈はありません。
でも何か居る…。
止せば良いのに私は寝返りをして部屋側に目線を向けました。

真っ暗な部屋、なにか影がひとつ、ふたつと動いていました…
月明りしかない、真っ暗な部屋に何かの影が入り込む筈もありません。
冷や汗を全身に感じながら目を凝らすと
その影は複数で行ったり来たりと動いています…
暗闇に目がなれて、段々と何が動いているのかが分かってきました…
 
それは複数の人々が四つん這いになり何かを必死に探す様に
部屋をぐるぐると回ったり、行ったり来たりとしているんです…!
 
もっと目を凝らせば顔も分かるんでしょうが、私は恐怖でもう失神寸前。
必死に彼らにバレない様に寝返りをうち、彼氏にしがみついて目をつぶり
朝方までその気配と恐怖に耐えていました…

朝、目が覚めた彼氏と共に部屋を見ると人なんて居ないし、
そんな痕跡もありませんでした…
彼氏に昨夜の話をしても

「あー墓多いしね。俺、見えないから別にいいけど…」

…それ以来、泊まる事もなく別れてしまいました。
もし彼らの顔を見ていたらどうなってしまったのか…気付かれていたら?

そんな夏休みの怖い一夜の話です。 


【引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?part188】