私が小学校の時の話です。

私はA君といっしょによく出ると言われている廃屋に行ってみました。
私は怖くてやっぱり帰ろうと行ったのですがA君は入ろうと言って聞きません。
仕方ないので私は外で待っていることにしました。

しかしA君はなかなか出てきません。そして日も沈みかかっていました。
と、その時その廃屋の中からうぅ…うぅ…と女の人がすすり泣く声が聞こえてきました。
2階の窓の辺りから聞こえてくるようでした。
A君の声じゃないよな・・・。
と思いながらその窓を見ていると突然すっと誰かが姿を現しました。
A君か?と思ったんですがそれは明らかにA君とは違っていました。
真っ黒というかどす黒い人影ががこっちを見下ろしていました。
真っ黒で髪の毛とか服は全く見えなかったんですが、
黒とは対照的な白い目がとても目立っており、
その目は明らかに私を睨みつけていました。
私は怖くなり全速力で家まで逃げました。

次の日学校に行ってみたんですがA君は来てませんでした。
どうやらA君は家にも帰ってないらしいのです。
私は昨日の廃屋にいた人物にA君は殺されてしまったのではないか?と思いました。
しかし次の日A君は普通に学校に来ていました。
私は安心してなぜ昨日来なかったのかという事と
廃屋で何かあったのかと言う事を質問しました。
すると彼はこんな事をいったのです。

「あの廃屋に面白い子がいて友達になったんだ。
 外にもう一人友達が待っているっていったら、ぜひ会いたいって言ってたよ。
 今度君もあの子と遊ぼうよ。」

と言っていました。
廃屋に子供が住んでいるわけありません。私はすぐにおかしいと思いました。
A君にもうあの廃屋には行かないほうがいいと言って
今日も遊びに行くと言っているA君を必死に止めたんですがですが
聞こうとしませんでした。

そしてA君はその日から行方不明になってしまいました。
 
あれからもう30年も経ちますがA君は見つかっていません。
ただ廃屋で男の子と女の子のバラバラの白骨死体が見つかり、
廃屋の中は壁に血がたくさん染み付いていたそうです。
男の子の白骨死体はA君だったのでしょうか?
だとしたら女の子の死体は誰なのでしょうか?
私があの時覚えてるのは女の人のすすり泣く声と
窓からこちらを睨み付けていたどす黒い謎の人物だけです。 


【引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?part242】